Paella ― 2006年03月01日
パエジャのレシピをと言う声があったので、作り方をご紹介します。まあ、ご紹介と言うほど難しい物ではありません。だからあんまり教えたくないんですけど・・・。
「パエジャ」って「パエリア」と違うの?とよく訊かれますが、同じ物です。「パエリア」はスペイン語のアカデミックな発音を日本語表記したものです。スペイン語の「lla」の発音は「リャ」「リア」でしたが、今では「ジャ」に近い発音になっています。まあ、どっちでも充分通じます。同じように「Sevilla=セビリア=セビージャ」や「Castilla=カスティーリャ=カスティージャ」があります。ただ、「おじや」の語源となった「olla」は「オジャ」ですね。まあ、聞く人によって、どっちにも聞こえると言うことです。
パエジャは男の料理です。日本のすき焼き、イギリスのロースト・ビーフ(これは切り分けるだけか?)のように、普通父親が作ります。基本的には野外料理です。平たい鍋、paellera「パエジェラ」で作るからそう言う名前になったとか、pa(ra) ella(彼女のために)作るからとか説があります。まあ、母親が作っても、全然問題ないですが。ちなみに私が教わったのは、スペイン人の友人サンティのおかあさんのレシピをアレンジしたものです。
パエジャの本場は、オレンジや火祭りで有名なバレンシアです。この地方は米所としても有名です。スペインのお米は中粒種といい、日本の短粒種のモチモチ、タイ米の長粒種のパサパサの中間の性質だそうです。どちらかというと、日本米に近く、そのまま白いご飯で炊いてもわからないくらいです。
パエジャの黄色い色はカレーですかと訊かれることも多いのですが、あれはサフランという香辛料によるものです。1g、800円から1000円くらいと高価ですが、これをケチるとおいしくありません。しかし、スペインでも、そうそう使えるわけでもなく、家庭ではコロランテと言う着色料を使うことも多いです。本来、バレンシアのパエジャは魚介類を使いません。魚介類を使った物は、ミックス・パエジャと言います。でも、手長エビとかムール貝とかは派手ですので、そちらのイメージが強いですね。家庭で作る場合は、手に入りにくくかつ高いので、ブラックタイガーやアサリで代用します。それでも充分おいしく作れます。
前置きが長くなりました。
[材料]
エビ6〜8匹、鶏肉1枚(ももでも胸でも好みで)、豚肉200g位(カレー用みたいな角切りで)、タマネギ半分〜1個、ニンニク1−2片、トマト水煮缶半分、アサリ1パック、米3合(日本の米でもタイ米でも好みで)、サフラン0.5g位、レモン1個
オプション:イカ、ピーマン、ブロッコリー、アスパラガス
[下ごしらえ]
中華料理のように、一気に進めていきますので、先に下ごしらえを済ましておきます。 エビと鶏肉、豚肉を水で煮て出汁を取り、肉は取り出して一口大に、エビは、食べるとき面倒なので、私はこの時点で殻もしっぽも取ります。有頭エビなど見栄えのする物は、そのままの方が良いですね。 ニンニクとタマネギはみじん切りに。 サフランは、アルミホイルなどでから煎りをする。焦げやすいので、焦らず慎重に。指で粉々になるくらいになるとOK。サフランは、乾燥させるほど香りが、細かくするほど色が強くでます。非常に高価なので、こうすると効果的に使えます。
[作り方]
1)まず、鍋にオリーブオイルを入れます。結構多めに入れます。スペインでは、鍋底5ミリくらい入れますが、さすがに入れすぎの感があるので、鍋底が3分の1から半分浸るくらいに。それでも普通の料理と比べると多いですね。ニンニクを入れ火を点けます。香りがたったらタマネギを入れて炒めます。
2)タマネギが透き通ったら、肉を入れさらに炒めます。肉には火が入っているので、少し炒めるだけで大丈夫です。そこへ米を洗わずに入れて透き通るまで炒めます。米を洗わないのに抵抗がある人は、洗ってざるにあげて乾燥させてから使ってください。濡れた米を炒めると、米が細かく割れて、出来上がりがおじやのようになってしまいます。最近では無洗米もあるので、そちらの方が手軽ですね。
3)そこへトマトの水煮缶を入れます。細かく切られたタイプだと、鍋の中で切る手間も省けます。そこへサフランを混ぜた出汁を入れます。入れる目安は、米のかさの2倍くらいでしょうか。鍋底から米が1センチなら、2センチくらい出汁を入れると言うことです。そこへ塩で味付けをします。アサリを入れるので、ちょっと控えめに。ざっくり混ぜて塩をなじませてから、アサリを入れます。エビや野菜は、この時乗せます。イカを入れるなら、肉と一緒に炒めますが、この段階で入れた方が柔らかく仕上がるかも知れません。
4)大事な火加減ですが、沸騰するまで強火〜中火で、その後中〜弱火で炊きあげます。一般家庭のコンロの大きさでは、なかなかパエジェラの面積を一度にカバーできません。こまめに鍋をずらしながら作りますが、はかせが作るように、ホットプレートで作ると、蓋もでき火も均一に通るのでお奨めかも知れません。中心部分はすぐ焦げますので、注意しながら炊いていきます。
5)パエジャの炊き上がりは、ぱりっとしていなければいけません。よく、ご飯がべちゃべちゃして上手く炊けないとか聞きますが、それは日本とスペインのご飯に対する基本的な考え方の違いから来ると思います。日本人はご飯が主食なので、どうしてもお米を入れすぎるんです。スペインのパエジャの炊き上がりは、あの浅い鍋の更に3分の1から半分の量くらいです。でも、やっぱり日本人ですから、ご飯いっぱい食べたいですよね。だからお米を多めに入れて、炊きあがる直前に鍋にアルミホイルで蓋をして蒸らします。向こうの人は、ご飯に芯が残っていても平気ですが、これも日本人には良くない。蓋をすれば、それも解決です。ホットプレートなら問題ないですね。もし大きなオーブンがあれば、蒸らし終わった後、オーブンで水分を飛ばしてやれば完璧です。
6)最後に、くし切りにしたレモンを飾ってできあがり。好みでレモンをかけて食べてください。
簡単でしょ?スペインでも作り方は、個人によってバラバラですので、独自にアレンジしてみてください。 上手く炊けたパエジャもおいしいのですが、一番おいしいのはお焦げです。娘もそこばかり食べてます。しかし、上手くお焦げを作るのは、なかなか難しい。まだまだ修行が必要です。
コメント
_ tom nyajya ― 2006年03月02日 13時57分51秒
_ ルールー ― 2006年03月02日 20時06分16秒
簡単そうだけど、いざ作ってみると・・・どうなんでしょう?
きっとうまく作れるようになるには修行が必要なんでしょうね(笑)
フライパンでできるのかなぁ?
ホットプレートの方がいいのかな?
_ 忍者 ― 2006年03月02日 21時08分02秒
>うん、作れそうな気がする・・・・。
大丈夫、出来ます!トライしてください。
いつか食べにきてくださいね。
ルールーさん
>簡単そうだけど、いざ作ってみると・・・どうなんでしょう?
注意点は、米に芯を残さないことくらいです。残ってるのが本場風だ!と言う割り切り方もあります。うちでも、たまに芯のある奴食べますから。
>フライパンでできるのかなぁ?
フライパンで良いですよ。ホットプレートはやったことありませんが、熱が均等に当たるので、やりやすいかも知れませんね。
_ かめむし ― 2006年03月03日 00時12分15秒
料理ッて作った人の性格出るって言うか、ねぇ。私が作ったらたぶん・・おこげ、ばりっばりっになるかも。
_ 忍者 ― 2006年03月03日 02時44分49秒
>料理ッて作った人の性格出るって言うか、ねぇ。
それはありますね。味付けや盛り方などにも、豪快な物、繊細な物など出てきますね。お焦げバリバリですか。でも、お焦げが一番おいしいんですよ。
_ Jun Green ― 2006年03月05日 03時34分23秒
_ 忍者 ― 2006年03月05日 06時45分08秒
直ちゃんのために作ってみるかな。
_ ドロたん ― 2006年03月05日 19時36分10秒
_ 忍者 ― 2006年03月05日 21時33分55秒
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うん、作れそうな気がする・・・・。
でも、作って欲しいです。^^