Queen & Freddie Mercury Tribute Live, A Night At The RAG Vol.52006年11月26日

 今年は行けないと思っていた「クイーン・トリビュート・ライブat RAG」。子供達を妻の実家に預けて行ってきた。本来なら妻が帰ってきてから出発したいのだが、それではどんなに早くても7時を超えてしまう。しかし、勝手に動き回る子供だけを祖父母に預けるのは負担も大きい。手に負えるのはせいぜい1時間か・・・。と言うことで、妻の帰宅一時間前を見計らって、妻の実家に預けた。最初の1時間ほどは見られないが、仕方ない。最初の出演者の方々、ごめんね。紅葉狩りの観光客で、もっと混んでいるかと思ったが、それほどでもなく、市役所前からLive Spot RAGへ。6時頃に到着することができた。

 2002年に始まったこのイベント。第一回は観客として、第二回から第四回の去年までは出演者として、クイーン・ファンでないことを公言しながらも、全て参加してきた。このイベントをきっかけに知り合いも増えた。出演時にはお互い励まし、そして楽しんだが、今年はちょっと辛口になるかもしれない。なぜなら、私は出演しないからだ。他人に厳しく自分に甘いのだ。

 また、今年は総合プロデューサーがsinくんとなり、言うこと聞かないおじさんおばさん連中をどうまとめて行くかと言うのも、個人的には興味深いところでもあった。

 エレベータを降りるとmaetakiさんがいた。始まったばっかりですよという店内に入ると、Rattlesnake Shakeが演奏中だった。知った顔があちこちに見える。私を見つけた人は「来ないって言ってたのに」と、まるで責められているようなので、しばらく後ろで静かに見ていた。が、ちょうどビデオカメラの前に立っていたようで、Junさんに注意されるまで、Rattlesnake Shakeの映像には、私のすてきな後頭部が映ることとなってしまった。ごめんね。

 次はBrenda & Her Majestyの出番。まず目を引いたのが、ギターのよたろう皇帝の赤い公家の衣装。ちゃんと烏帽子までかぶっている。あの袖で、ギターが弾けるんだろうか?いや、それ以前に意味が分からない。でも、面白いのでよいか。そしてベースのs@moさんは、ロビンフッド?後で聞くと、パイレーツ・オブ・カリビアンのジョニー・デップだったそうだ。そして、白いドレスに100均のティアラを着けたBrendaさん。演奏曲に関係した物語を曲紹介としていたのだろうが、クイーンに詳しくないので、その背景がよくわかりませんでした。ごめんね。でも、衣装を含め、ステージ上では「成りきる」という大切さを改めて感じました。演奏は、ベテランなので、ほぼ安心して聴けました。目玉は、ヴォーカルもさることながら、やはり「ブライトン・ロック」に尽きるでしょう。皇帝のギター・ソロ、そしてその曲が終わった後の歓声と拍手は、この日の三本の指に入るほどでした。

 しばしの休憩時間に、空いているカウンター席へ移る。いつもYKさん一家が定席にしている隣を空けてくれました。tokoさんは、東京出張。8時頃到着予定とか。お疲れさまです。

 そして、この日のスペシャル・ゲスト、RAGの秘蔵っ娘、安達久美さんが登場した。来年3月にCDデビューが決まっている、フュージョン・ギタリスト。シークレット・ゲストだったが、告知していても、きょうのお客さんなら関係なかったかも(失礼)。かくいう私は、彼女のライブには、初のホール・ライブ野外ライブの二度行っていたのだ(プチ自慢)。演目は、クイーンのブルースっぽい曲とジミヘンの「Little Wing」。フュージョンの細いギターの音は嫌いだけど、この日はその二曲に絞ったからか、太い音でよかった。ただ、歌を歌ったのがろくまんとTOMさんで、どっちがメイン?って感じもあったけど。でも、それを吹き飛ばすようなギター。最後にはギターを投げ捨てるパフォーマンスも見せてくれたが、あれは、誰かが片付けてくれる段取りを着けておいたほうがいいかも。そうしないと、自分で拾いに行かなきゃいけない。しかし、細い体からパワーあふれるプレイは、さすがだな〜。

 そして、この日のメイン・イベント「オペラ座の夜全曲演奏」が始まった。舞台上には、ずらりとヴォーカル陣が並ぶ。どの顔も、いろんなバンドでリード・ヴォーカルを張るような人ばかり。クイーンと言えばコーラスのイメージがあるので、必然のキャスティングか。この「オペラ座の夜」は、クイーンでも最も有名なアルバムらしいが、私は通して聴いたことが無い。予習して行くべきだったと、今気がついた。ごめんね。だから今聴きながらこれを書いている。

 「Death On Two Legs」では、YKさんがリード・ヴォーカル。ああ、一緒にやったな〜、なんて思い出に浸ったりして。今回はフリップも無しで、歌に集中できたでしょう。ヴォーカル陣は知っている顔ばかりだが、センターに、一人見慣れない顔があった。のりやすさんと言うらしい。坊主頭とその表情や動作が完全に浮いているいい味だしている。でも、歌はよかった。「預言者の唄」では、その風貌から「Now I Know〜」が、だんだん「なんまいだ〜」に聞こえてきたのは空耳だろうか。その後もどんどん曲は進む。「Bohemian Rhapsody」は、いつもファイナル・セクションでの演奏だが、今回はいつも以上に力が入っていた。途中のオペラ・パートも、演奏し堂々の完奏となった。「God Save The Queen」が終わり、会場も出演者も一気に緊張の糸が切れた。すばらしい演奏だった。新プロデューサーのぼじおくんも、よくまとめたな〜。そして、演奏陣にも惜しみない拍手だ。

 ただ、イベントとしての緊張と盛り上がりは、ファイナル・セクションを待たずして、ここで終わってしまった。せっかく「Bicycle Race」をやっているのに、私は曲の途中まで気づきもしなかった。その次の曲も静かな曲だったので、ラストの「We Will Rock You」「We Are The Champion」の二曲だけで、例年のラストの盛り上がりに再びもって行くことはできなかった。それが悪かったという訳ではない。だが、例年の盛り上がりを知っている常連達にとっては、若干歯がゆい思いが残ったかもしれない。

 とは言え、今年も大成功だったと言えるクイーン祭。第一回の後に来たクイーン・ブーム、その時から比べるとお客さんも変わってきている。あまりに幅広いクイーン・ファンを、いかに満足させるかと言う、非常に難しい課題を背負い続けるのは、このイベントの宿命と言えば言い過ぎか。終了後も、関係者含めかなりの激論が交わされた。いや、そうさせたのは、怪しく光る、赤いテーブルのせいか?それは夜を徹して続き、私は再び風邪をぶり返してしまうのであった。だが、そうした情熱があれば、来年も満足できるに違いない。

 今日の声はサビナ。明日は声が出るだろうか?