ハンカチ老人2010年03月25日

 冷たい雨が続くが、黄砂の汚れを洗い流してくれると思っておこう。しかし寒い。

 昨日大阪の問屋街を歩いていると、子供向けのプリントのハンカチがたくさんディスプレイしてある店があった。ケロロもあるな〜、と外から眺めていると、店主らしき老人が出てきて、「まあ、中でゆっくり見てください」と招き入れてくれた。小売りお断りの店も多いが、ここは大丈夫なようだ。それでも、一応卸と言うことで、より取り3枚からとなっている。

 タオル地のものは3枚で6〜700円。普通のハンカチは3枚で480円だ。もちろん、怪しいパチものではなく、ちゃんとライセンス・シールも貼られた正規もの。いろいろある中から、ケロロ軍曹、ジュエルペット、ポケモン、ドラゴンボールを買った。ふと見ると、天井近くに六つ切りくらいに引き伸ばした写真が額に入れて飾ってある。それは店内をぐるっと十数枚。どれも風景で、下には「喜望峰」「マッターホルン」「チョモランマ」「マッキンリー」「イグアスの滝」「クック海峡」「ケニア」「ノイシュバンシュタイン城」など、世界各地の風景だ。訊いてみると、そのご主人が趣味で撮影したそうだ。

 そのご主人。若い頃は、店もあったので、国内旅行ばかりしたが、奥さんがどこも同じようなので飽きたと言ったそうだ。しかし、海外となると、一週間か10日ほど休まなければいけない。だが、歳をとったら、周りも行って来いと行ってくれるようになったので、まずは一番遠い南アフリカに行ったそうだ。それから毎年のように夫婦で、あまり日本人の行かないようなところへ出かけるようになったそうだ。

 南アフリカに始まり、ケニアやモロッコ、ポルトガル、ドイツ、フィンランド、ネパール、アメリカ、アルゼンチン、ニュージーランドや中国奥地などへ行き、先々で、セスナやヘリコプター、船に乗って撮影をしてきたらしい。五大陸で行ってないのはオーストラリアだけだそうだ。それにしてもパワフルだ。

 先月、テレビ番組の「となりの人間国宝」と言うコーナーで紹介されたそうで、その時来た月亭八光のサインも飾ってあった。そのおかげで、しばらくは結構人が来たり、電話が入ったりしたそうだ。

 次はどこを狙っているのかと訊くと、今は奥さんの腰痛がひどく、行けそうにないので、予定は無いそうだ。行くのはいつも夫婦一緒。一人では行かない。一人で行ってもつまらないと話していた。

 たまたま覗いた店だったが、なかなか楽しい話で30分ほどもいてしまった。本町にある寺澤商店。奥さんの腰がよくなって、もっとコレクションを増やして欲しいな。