RAG創業25周年祭 Live In Kyotoリターンズ2006年08月07日

6日(日)は、円山野外音楽堂へ「RAG創業25周年祭」を観に行った。この日は普段ライブに集まる仲間達も用事があるらしく、前日に訊いても誰も行く人がいなかった。寂しいな〜、どうしようかな〜と思っていたが、最近アマチュアの演奏ばかりで、プロの演奏を聴いていなかったので、妻と子供を実家に預けて、一人参戦することにした。普段のアマチュアの演奏と言っても、昨日のように、プロ並みの演奏をする人たちはいるのだが、今回は世界レベルの人が出演するイベント、行って良かった。それに山下洋輔と言えば、坂田明などと昔よく暗黒舞踏とコラボしていたそうで、大駱駝艦を旗揚げする前から一緒にやっていたそうだ。と言うことで、一度聴いてみたかった。

2時開演を10分ほど過ぎて到着。すでに第一部、クラブパンゲアの安達久美のギターが円山公園まで聞こえていた。しかし暑い!駅から10分歩いただけで、汗が吹き出る。野外用にサングラスを掛け、入り口でチケットを買っていると、ひかるさんが挨拶に来てくれた。うっ、グラサンで変装しているはずなのに。会場は半分くらいの入りか。日陰になっている上手側は人でいっぱい。しかたなく下手側の日向、プレイヤーのよく見える位置に座った。がっ!椅子がメチャメチャ熱い。真昼の砂浜状態!一瞬おしりをあげるが、何事もなかったかのように我慢して座った。

安達久美は、以前ホールで見たが、青空の方が似合うような気がする。軽い音が、野外の爽やかさにマッチしているからだろうか。変拍子も有りで、これがフュージョンという物か。初めて作ったという「ダンジリ・ファンク」がおもしろかった。アンコールでは、ジーンズと緑のビキニトップで登場。うん、なかなかのパイだ。ジミヘンの「リトル・ウィング」を歌う。フッフフ、歌では勝ったな。客席一回りしながら弾いたり、最後にはジミヘンよろしく、ギターを投げ捨てたりのパフォーマンス。自作の曲よりも、派手に、生き生きと見えた。本当はこんなのがやりたいんだろうか?熱く、暑く終わった。

晴天に備えて、アクエリアス1リットルとタオルを持っていったが、ちょっと甘かった。最高気温38度。拭いても拭いても汗がでてくる。転換に30分ほど掛かるので、ビールを買って日陰で飲む。あ〜、極楽!通路でジュゴン君がニコニコしながらこっちに来た。変装してるのにばれている。そして屋台で「いしる焼き」と言う、笹蒲鉾を焼いたようなつまみを買っていると、ザ・ノスタルジックスの親方、サリーさんが肩を叩いてきた。やっぱりばれている。どうやら屋台の手伝いをしているようだ。転換時は大忙しなので、話する暇もなかった。しかし、暑い・・・。最後までもつだろうか・・・。

舞台では大勢でセッティング中。ピアノの調律までしている。そりゃこの炎天下、チューニングも狂うわな。そして第2部、ヴァイオリニストNAOTOの登場。全然知らない人だが、若い女の子に人気があるようだ。真ん中あたりは、全てそんな人たちで占められている。このNAOTO、MCが長い。よくしゃべる、そしておもしろい。始まってしばらくしてから、YKさん一家がやってきた。YKさんは、このNAOTOが見たかったそうだ。だが、あまりの暑さのため、来る前にグロッキー気味。私も観ていて、静かな曲になると気が遠くなり掛けた。

第2部も終わり、また30分ほど転換。前にも増して、念入りにピアノの調律が続けられている。日差しもだいぶ和らぎ、座っているところにも日陰が伸びてきた頃、tokoさんが楽しみにしていた山下洋輔New York Trioが始まった。ドラムとウッドベース、そして下手からよたろう皇帝山下洋輔の登場。後ろ斜めからだが、ピアノを弾いている姿がよく見える。ウッドベースのおっちゃんが、ピアノ越しに山下洋輔の動きをジッと見つめ、その動きにあわせてフレーズを繰り出す。ドラムは、見てもいないのにきっちり合わせている。そして山下洋輔は、足でリズムを取ったり、飛び上がったりと、まるで格闘しているかのよう。みんなバラバラなようであっている。これがjazzなのか。

曲ごとに立ってMC。結構しゃきっとした若い声。今回はゲストに、サックス、フルートの川嶋哲郎が加わって更に複雑になったり、単純になったり。プレイヤーのやりとりがおもしろい。心地よい風が吹いてきたが、ステージは熱かった。だいぶ見やすくなってきたが、YKジュニアがギブアップなので、tokoさんは名残惜しかっただろうが、YK一家は帰っていった。ビールごちそうさまでした。でも、YK一家が帰った次の曲が最後だった。そこでは長いドラムソロ。ステージではメンバーが、タン・タッタ・ウン・タッタと手拍子をとっている。観客もそれに合わせて手拍子をし、ドラムと手拍子の掛け合いが始まった。しかしこのドラマー、ドラムを聞きながらだと、手拍子できないときもあったりと凄かった。客もよく合わせてるな〜。そしてアンコールの後、長かったイベントも終わった。日はすでに沈んで、薄暗くなっていた。

タフな一日だったし、知らない曲ばかりだったが、とても楽しかった。暑かったけど、開放的な野外コンサートはとても気持ちいい。普段とは違った音楽を聴くことができたし、そんな一流ミュージシャンと観客の架け橋となってくれるRAGに感謝。これからも30年、50年とそんな場を提供してもらいたい。