FOREFINGERがライブに行った。 ― 2007年03月16日
13日の火曜日。東京厚生年金会館で行われたフォリナーのライブに行った。今回の来日公演は、実に12年ぶり。私自身は17年ぶりか。なぜだか東京二日間のみ。現在のフォリナーの人気具合からして、二日やるなら東京と大阪にしとけばいいのに・・・なんて、要らぬ心配したりした。手に入れたチケットも最前列だし。普通なら喜ぶべきところが、逆に心配になったりもした。まあ、入りが少なければ、その分盛り上げてやるさ。
今回参戦は、FOREFINGERからルールーさんとMFCオーナーとの三人。二人とは会場で会った。結構行列が出来ている。ロビーではグッズを売っていた。「4」のTeeと、新製品の「プロウ゛ォカトゥール」の2007ツアーTee。ツアーTeeを買おうかと思ったが、4も捨てがたい。悩んでいるうちに、ツアーTeeが売り切れた。いいや、ネットで買うもん。グッズ売り場で悩んでいると、すぬっちさんと3年ぶりの再会!すぬっちさんは、K.C.Rhyeと言うクイーンのコピバンをやっているが、実は筋金入りのフォリナー・ファン。今回もセンター2列目をGet!、とチケットを見ると「22列??」。入り口でチケットを落として拾った時に、別の人のとすり替わったらしい!大丈夫??と思ったが、後で元気に2列目から手を振っていた。
ステージはモノ・トーンでまとめられたシンプルなもの。正面上に「FOREIGNER」のロゴ。アンプのキャビネットを隠す様に和紙のような質感のついたてが左右に分かれて置いてある。そこには薄墨でプロウ゛ォカトゥールのジャケット・デザインの「F」が。そして1mくらいのひな壇の上には、上手にドラム、下手にキーボードがセッティングされている。ドラムの胴はクリアーだ。なんか久々に見るな〜。それぞれの後ろには、同じく和紙のようなついたてに薄墨で「4」のジャケット・デザイン。センター後ろには丸井の「O」?いや、フォリナーのロゴの「O」だった。舞台前には警備員、そしてロープが張られている。果たして、今日のライブにそんなもの必要か?だって客層は、やっぱり我々世代が中心みたいだから。後ろを見ると、7割くらい埋まっているかな。でも、2階席は解放してなかったようだ。それに、結構招待券も配っていたみたいだし。
オープニングはやっぱりくじ取らずの「Long, Long Way From Home」だろうか?それとも・・・などと話していると会場が暗くなった。意外にも、歓声が響く。彼らの過去のヒット曲の短い、走馬灯のようなメドレーがSEとして流れ、照明が輝くと「Double Vision」のイントロが。それとともに会場総立ちになった。前で座って観ようなんて企みは打ち砕かれ、そして最後まで腰を下ろす事は無かった。いや、彼らが座って観るなんて事許してくれない、そんなパフォーマンスだった。ヴォーカルのKelly Hansenは、ハイ・トーンもよく出ており、声質も昨年発売されたライブ盤よりルーに似ていた。MCでも「隣の人と肩を組んで」とか「みんなの協力が必要なんだ!さあ、よく聞こえない、もっと!!」と言ったり、なかなか盛り上げ上手。それともう一人、長い金髪をヘッド・バンキングで振り乱し、すごい形相で会場をあおっていたベースのJeff Pilson。彼にもかなり乗せられた。幸いうちのベーシストは金髪ロン毛(ヅラだけど)。次回のライブではヘドバン必須だな。
二曲目は「Head Games」。このイントロ、レコードでは大好きだが、ライブではいまいちだと思っていた。でも、今回のイントロは良かった!どう違うか説明は難しいけど。我々の目の前には、サックス、フルート、ギターのTommy GimbelとベースのJeff Pilson。Mick Jonesは舞台の反対側。でも、最近のでかい会場と比べると近く感じる。それに、前に誰もいないって言うのが、めちゃくちゃ気持ちいい!Mickは黒のレス・ポール・カスタム、Tommyはレス・ポール・ゴールド・トップと言う、見た目にも'80s。Mickのカスタムはリイッシューだろうか。昔から使っているものより新しそうだ。三曲目は、舞台袖からキーボードが出て来て「つめたいお前」。曲の終わりにはJeff Jacobsの長いキーボード・ソロ。その時ヴォーカルのKelly Hansenが客席に降りてきて、真ん中の空いている席に立ってみんなをあおったりと、サービス満点。そして「蒼い朝」。この曲あたりになって、新生フォリナーはコーラスがかなりしっかりしている事に気づいた。それは後に、もっとわかりやすい形で見せてくれたのだ。
次あたりから、記憶がかなり曖昧だ。「隣の人と肩を組んで」と、そのまま「Waiting For A Girl Like You」へ。この曲もエンディングのシャウトまでフェイク無しに歌いきる。すごいぞKelly!ここでMickが黒のカスタムから、初お目見えの白のカスタムに!Kellyが「今のは男性達に、そして次は女性達に」と「Dirty White Boy」が始まった。それが終わると、一瞬舞台からメンバーが消え、目の前にもう一本マイクが立てられた。Sax用のマイクかな?と思ったら、ドラムのJason Bonhamがタンバリンを持って、ピョコンと片足を後ろにして飛び出して来た。強面だけど、けっこうおちゃめやん。Mickはアコースティック・ギターとJeff Jacobsのキーボードだけの伴奏で「Say You Will」が!これには驚かされた。Pilson、Gimbel、Bonhamの3人が演奏の代わりにばっちりコーラスを決めている。常々、コーラスに重点を置いてやりたい!と思っているが、今後は絶対やる!!って決意をしたのであった。
Mickがメンバー紹介をする。Jason Bonhamが自分の紹介の時、突然「Rock'n Roll」のイントロを叩き出した。メンバーが「演るのか?」と身構えた時に、ハイおしまい、と切り上げ、会場を沸かせていた。Mickが「僕はなかなか歌う機会が無いけど、この曲は歌います」と静かにフルートで始まったのが「Starrider」。アコースティック・ギターを弾いているのに、ソロどうするんだろう?と思っていたら、途中でエレキに持ち替えた。これまでの曲は、歌メロも演奏もかなりオリジナルに忠実だ。でも、このソロ終わりのディレイまでは再現しなかったな。私ならやるぞ!
そしてKellyの「ファースト・アルバムの曲だよ」と「衝撃のファースト・タイム」が。短いキーボード・ソロとドラム・ソロの後「Urgent」へ。このSaxソロが、最初レコード完コピ!それから自分のアドリブに。カッコいい!これまでサイド・ギターに徹していたTommy Gimbelも、この時ばかりはステージを転がっての熱演だった。ここまでベースのJeff Pilsonは、あっちこっちへ走り回り、ピックをぴゅんぴゅん投げている。しかし、なかなかMickがこっちへ来てくれない。ワイヤレスなんだから、もっと動けよ!そう思っていたら、やっとここになって我々の前まで来てくれた。そして、ピックをさっと投げたが、そのピックはひらひらとMickの手前1mに力なく落ち、最前列にさえ届く事は無かった・・・。ああMick・・・。
そしてラスト「Juke Box Hero」を、声のかすれも無くドラマティックに歌う。最後に引っ張って引っ張って、一瞬の間の後決めのフレーズ&ポーズのMickがメチャメチャカッコ良かった。アンコールは「Long, Long Way From Home」。「みんなの助けが必要なんだ」と「I Want To Know What Love Is」。途中演奏が小さくなり、客席大合唱。ラストは「Hot Blooded」。演奏が大きくても大合唱。メンバーが集まってお辞儀の後、Kellyがまたまた客席に降りて来て、最前列の人たち全員とハイタッチ。Mickや他のメンバーは、ピックを両手いっぱい持って来て、会場に撒いていた。私はTommy Gimbel、ルールーさんとオーナーはMickのピックをもらう事が出来た。メンバーが引っ込んでからも、スタッフが箱を持って来て、ピックを豆まきの様に撒いていた・・・。もうちょっと拾えば良かったな。Mickはソフトのピックを使うのは知っていたが、Tommy Gimbelも同じソフトだった。音色を合わせるために同じものを使っているのかな?
新生フォリナー。ライブでの実力は、去年発売されたライブ盤で知ってはいたが、これほど満足できるとは、実は思っていなかった。終わってみれば、喉が痛い痛い。歌も演奏も、ドラムのフィル・インに至るまでオリジナルに忠実。究極のトリビュート・バンドって感じで、Mick以外のメンバーに対して「お前らキャリアあるのに、それでいいのか?」などと聞きたくなるくらいだった。だって、スタンスとしては我々と変わらないんだから。しかし、これは逆に今後への期待を大きくさせてくれた。これから作り出される、彼らのフォリナー。今回はオリジナルに近い演奏のクラシック・ヒッツ・ライブで昔のファンを満足させ、さらにパワー・アップした新生フォリナーへ引っ張って行く布石なのかもしれないと。彼らでの新作が期待されるところだ。そうじゃなければ、FOREFINGERでもMick Jonesさえ入ればFOREIGNERを名乗れてしまう・・・とは言い過ぎだな。
終演後はvoltyと合流。mixiで呼びかけていたわにさんと一緒に祝杯をあげた。また一人フォリナー・ファンと知り合えた、貴重な夜でもあった。
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