僕らの季節2007年11月03日

 夏の間、我が物顔だった太陽も優しくなり、心なしか空の色が薄く感じる秋。モクモクと白く、何処までも白く密度の高かった雲も、剥がした綿菓子のようにスジ状や鱗状に空を覆っている秋。あれだけ眩しかった緑も、薄明かりのなかに沈んでしまったような秋。夜の空に輝いていた星も、ちょっと休憩した様な秋。秋は寂しげ、だんだん色が薄れていく。

 だが、太陽が沈む時、薄い空と薄い雲は、それまでためこんだ色彩を一気に吐き出すように、紅く、紅く、空を彩る。山の木々は黄色や赤に着飾り、その枝に果実を実らせる。駆け抜ける風に遊ばれていた緑の稲は、金色に輝き、もう風に負ける事は無い。寂しくなった夜空には、月がそのすべてを独占する。

 その一瞬のために夕陽は輝き、木々は色づき実を付け、丸い月が夜を照らす。フルパワーじゃなくていいさ。走り続けなくていいさ。僕たちもそんな季節になったんだから。

コメント

_ 那由他 ― 2007年11月03日 11時30分02秒

忍者さん、詩人ですね。

秋をテーマにしたいろんな曲のメロディが浮かんできました。

この日記の言葉を詩にして、メロディをつけて、素敵なオリジナル曲を作ってください。

_ にゅーめん ― 2007年11月03日 19時47分23秒

忍者さん、お洒落な詩ですね~~♪
秋の情景が浮かんでくるようです。
私もたまに詩(歌詞)を書きますが、参考にさせてもらいます。

_ ちゃーめ ― 2007年11月04日 07時43分57秒

忍者どのは、詩人でござるなぁ〜
太陽より、お月さまの時代に入りましたか。。。。
。。。或る時は太陽、でも月の静けさも味わえる年代ってとこかしら
夏の蓄積が足らない私は、たわわな実りは期待出来ないけど
いい感じで、年取っていきたいです。

_ 忍者 ― 2007年11月04日 23時08分17秒

那由他さん
今回は、ちょっと詩を意識して書いてみましたが、やっぱり難しいですね。稚拙な文ですが、またチャレンジしてみたいと思います。

にゅーめんさん
先日はラウパ参戦お疲れさまでした。
>私もたまに詩(歌詞)を書きますが、参考にさせてもらいます。
いえいえ、普段から書いていらっしゃる方に見ていただくのは、お恥ずかしい限りです。一度こちらに発表に来てくださいよ。

ちゃーめさん
心はいつも太陽なんですけどね。いい意味で「枯れた」味わいが出せる歳になりつつあるのですが、その味ってかなり難しい。でも、ここ一番はキラッと光りたい、そんな思いです。
>夏の蓄積が足らない私は、たわわな実りは期待出来ないけど
ちゃーめさんもうちも、他の人と10年ずれてますからね。でも、それはそれで楽しいですよね。

_ ちゃーめ ― 2007年11月04日 23時23分50秒

>ちゃーめさんもうちも、他の人と10年ずれてますからね。
一緒に思ってくれてるところに忍者さんの優しさが…(泣)
滲み出ていますぅぅぅ。これ以上は語るまい(笑)

_ 忍者 ― 2007年11月05日 10時45分02秒

ちゃーめさん
師匠はともかく、ちゃーめさんくらいはみんな一緒ですよ。

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